武蔵小杉の現場で、住人さんの会議に呼ばれた。前に行っていた現場ではなく、隣りというかはす向かいのマンション。ちなみに前行っていたマンションは、コンペで負けて失注した。
武蔵小杉にはよく土曜日に呼ばれて通った。だいたい月イチで会議があった。電車で行く時も、車のときもあったが、電車で行ったときは、帰りか行きに走ったことが多かった。だいたい、自宅から40kmある。
今日は奥さんも土曜日出勤だから帰宅は夕方6時頃。8時半からの会議が、10時に終わったとして、ゆっくり5時間かけても午後3時には帰れる。夕飯の支度も問題なく出来そうだ。ちょっと暑そうだが、走るか。信越マイルを控える身としては、ロング走をやっておいた方がいい。そんなチャンスも、そうあるものではない。
炎天下、多摩川沿いに走るのはキツそうだが、二子玉川まで我慢して野川沿いにコースを取れば、緑陰を選んで走れるだろう。最後は多摩湖自転車道に出て多摩湖ゴール。いなげやでアイスを買って、水風呂アイスでリフレッシュ。ここまで脳内で予定を立てた。
会議は10時に終わった。ここの住人さんはいい人達なので、ちょっとしたサービス工事を約束して解散した。手持ちの材料が足りるか心配だが、早めに手配してやってあげよう。
以前よく走った時と同じく、向河原の駅前で身支度を整えて、踏切を渡って多摩川に向かった。押しボタン信号で渡らせてもらって土手に出る。左方向、上流に向かって走り出した。
予報通り暑かった。進行方向左、右岸側は緑陰が少なそうなので、丸子橋を渡って左岸に移った。日は高く、ほぼ真上から照り付けるので、多少道沿いに木が生えてるくらいでは緑陰にならない。このあたりで、走り出した事を後悔というか、この企画は無理があったんじゃないかと思い始めた。ちょっと暑すぎるだろう。
無理っぽければ、二子玉川から電車に乗っちゃえばいいだろうと、考えないでもなかったが、二子玉川に着くと、そのまま漫然と線路をくぐり、公園の緑陰でしばし休憩。ここを過ぎるとしばらくリタイヤできない。ちょっと休むと復活してきたので、野川方面に走り始めてしまった。
野川に出ても、緑陰はほとんどなかった。すでにヘロヘロになりながら、野川沿いを進んだ。野川はもともとランナーが多いが、今日はランニングの格好で歩いている人が多くいた。そのうち、自分も歩き出した。日向は歩き、緑陰は走るというサイクルになってきた。土曜日なのでランニングベストにフラスクをつけて、気合いを入れて走りに出たと思われるが、歩いているランナーとすれ違ったりすると、何となく苦笑いしながら会釈する事数回。そう、暑いよね、こんな日に走るもんじゃないよね。野川沿いに何ヶ所かある水飲み場で、水をがぶ飲みして休んだ。そして、ペットボトルに補給して先に進んだ。
正面に森が広がり、ようやく野川公園に着いた。トイレで水を補給し、西武線をくぐったさきのベンチで休憩。
ここから、リタイヤポイントの花小金井駅まで5㎞くらい。マップさんによると、多摩湖までも13㎞と出た。さすがに、2時間もあれば着くだろう。この時点で14時。16時か、けっこうタイトになっちゃったな。
ここから野川沿いは走ったが、小金井街道を北上するところは歩いた。人が多い中を、大汗まみれで走るのは迷惑だろうと言うのは言い訳で、実際は武蔵小金井駅まで上り坂なので、とてもじゃないが走る気が起きなかった。
結局、武蔵小金井駅を過ぎて下り坂になっても歩き続け、多摩湖自転車道に着いた。あとはまっすぐ多摩湖まで。頑張って走り始めた。この先、武蔵大和駅前の信号までは平ら、そこから多摩湖まで500mの上り坂だ。その坂を登り切って完走となれば、ひょっとしたら1週間前のあのゴールより感動するんじゃないかな。
そしてヘロヘロと武蔵大和の交差点まで着いた。信号が変わって坂に入る。馬返し前のあの激坂を登るようなペースと、ヘロヘロ具合で走る。10.6㎞の表示のあたりまで走って力尽きた。歩いて登り切り、まずは水飲み場で補給。そしてダム堰堤へ。
そんなに感動はしなかったが、走ったり歩いたりして、ようやく完走（歩）だ。ここから家まで3㎞あるが、もう走らなかった。熱中症がかなりヤバいところまで来ていて、まずはいなげやに行って冷房で体を冷やした。スーパーマーケットの冷房はいつもなら寒く感じるが、頭の芯がボーっとしたまま熱が抜けない。熱が抜けないまま、お約束のアイスを買って家路に着いた。
水風呂アイスで体を冷やし、リビングの冷房をつけてぐったりしていると、もう5時を過ぎており、奥さんから帰るLINEが入った。お迎えに行くついでに、夕食の食材を一緒に買いに行くことにして、本日敢行した悪だくみはバレずに済んだ。
8月3日16時の所沢アメダスの気温は34.2℃。猛暑日には届かなかったが十分に暑い。
こんな日にロング走などやるもんじゃなかった。
