タルキートナでバドワイザーを

群発頭痛により断酒した山好きオジさんが、定年後にアラスカのデナリを登って、祝杯としてアルコールを解禁することを目指す日記。

久しぶりの山だったが

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谷川岳、西黒尾根に行って敗退してきた。
日曜にハイキングに行った際、奧さんから11日の建国記念日は友達と出かけると聞かされた。急に決まった話ではなく、私が聞いたのを忘れていたようだった。そこで、11日の山行を決めた。
西黒尾根は直ぐに思いついた。毎年、初雪山は西黒尾根だ。今回は昨年から買い揃えてきたスキー用具のテストをやりたかった。板が三台とブーツ。板は三台とも1回づつ使用していたが、いずれも山靴では乗りこなせなかった。そこで、ヤフーオークションで兼用靴をシーズン後に落札した。定価がいくらか知らないが新品のTECH対応兼用靴が三万円はかなり安いと思う。しかし三万円する靴を試着もせずに購入するのは勇気が要った。購入したことは奧さんには言えなかった。近くのヤマトの営業所受け取りにして、こっそり家に持ち込んだものである。
この靴でこれらの板を乗りこなせるか?この靴でどれだけ歩けるのか?をテストしたかった。
シール登高も考えた。フリーベンチャーの短いシールは役に立たないのは実証されており、板に合った長さのシールが必要だ。三台は160cm、150cm、120cmである。
神保町の石井スポーツに行ってみた。店員さんに詳しい説明を受けた結果、今回の導入は見送った。長さと巾が違い過ぎるのでシールの使い回しは無理なようだった。シールがあれば行き先として根子岳も考えられたが、西黒尾根で決まった。根子岳ならばほぼゲレンデで危険は少ないが、谷川岳はまともな山なので心してかからなくてはならない。
ルートは定番の西黒尾根から西黒沢。新しいブーツと一番短い板の組み合わせをチョイスした。150の板も積んで、下山後にロープウェイ利用で田尻沢コースを滑ろうと思っていた。SNSの情報から西黒沢は厳しそうだとわかった。天神平まで降りて田尻沢でもいい。昨年は120の板も山靴ではコントロール出来ていなかった。
5時に家を出て、8時前に土合のロープウェイ駐車場に到着。昨晩も残業があり山の準備もあって睡眠時間は三時間ほど。モンスターエナジーの助けを借りて何とかたどり着いた。アイゼンの調整も駐車場でやるようなバタバタ登山となってしまった。
強風と大雪のためロープウェイ運行は九時から、田尻沢コースは閉鎖、というアナウンスを聞きながらセンターを出て指導センターに向かう。雪は例年よりかなり少ない。それでも昨晩積雪があったのでトレースはない。膝上位のラッセルとなった。
鉄塔まで1時間半かかり、今回の登頂は厳しいかなと思い始めた。天候の回復も遅れているようで、強い風は止む気配がない。ラクダのコブを見上げるピークに出て、雪煙が逆巻く光景にあっさり敗退を決めた。
下山して駐車場から車を出すと、天神尾根から降りて来たであろうボーダーとスキーヤーとすれ違った。ロープウェイで天神平まで行き、登頂して降りてきていたのだろう。それを見て安易に降りて来てしまった自分の判断を悔やんだ。登山は安全が絶対基本だが、今回それほど危険だっただろうか。トレーニングと考えれば、多少辛い思いをしても頂上を目指すべきであった。次に雪山に行けるのはいつになるだろう。今シーズンはないかも知れない。
年齢的にも、もう何度も雪山シーズンは巡って来ない。今後はその事を念頭に、ひとつひとつの山行を大事に楽しみたい。

さて、今回はブーツのテストというテーマがあった。結果として通常の雪の斜面は問題なく歩ける事がわかった。ラクダのコブまで行かなかったので、岩稜帯はどうだかわからない。
※鋪装道路の下りは歩きずらい。
※くるぶしが内外共に当たって痛い。
※スパッツは着けられない。
※片側だけ踵上パッドのようなものがない。
下りは僅かな距離だが滑ってみた。昨年まるで回せなかった120の板が回ってくれた。靴の違いは大きいと感じた。

早々と降りてしまったが田尻沢コース閉鎖なのでロープウェイで天神平に上がって150の板を試す事はしなかったが、このブーツならいい線行けるかも知れないと感じた。
今シーズンは滑りを充実させる為に、このトシだがスクールなども考えていた。しかし、記録的雪不足の為、スキー場がいつまでも営業しているのかも微妙なところ。それらも含めてこの先短い雪山を、大事に楽しみたい。