タルキートナでバドワイザーを

群発頭痛により断酒した山好きオジさんが、定年後にアラスカのデナリを登って、祝杯としてアルコールを解禁することを目指す日記。

温泉紀行

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上高地の入り口にある中ノ湯温泉に行ってきた。連休なので温泉でも、となり、いろいろ検討して中ノ湯になった。そして、おまけで焼岳を目指すことになった。
天気は冬型。個人的な認識として、冬型では槍穂高は荒れない、というのがあった。これは黒部や後立山に比べてのハナシだし、気合の入った現役の山屋だけが言える事なのかも知れない。しかし、最近は冬型でも八ヶ岳が吹雪だったりしているので、本当に気候が変わっているのかもしれない。そういうわけで、焼岳は雪だった。
荒れてはいないかもしれない。しかし、しっかり降っていて、出鼻を挫くには十分だった。頑張って早起きしたつもりだったが出発は10時となってしまった。中ノ湯温泉の駐車場に車を停めて車内で身支度を整える。その間にフロントグラスに雪が積もる。ワカンを付けて歩き出す。しばらくはトレースがうっすらあり、トレースがないところも、ピンクのテープが豊富にあって迷わない。
思ったより地形は複雑で、視界もないのでテープには助けられた。途中五人程のパーティーとすれ違う。雰囲気から敗退したぽかった。予想通りリンドウ平の手前でトレースが消えてラッセルとなる。その辺りからテープマークがガクッと減って、ルートファインディングが必要になってくる。何回かルートミスしたがほぼ夏道通りにリンドウ平の分岐辺りに出る。うっすら焼岳のフォルムが見えてきた。
焼岳は、冬場は南峰を目指している記録が、多くヤマレコに上げられている。ルートは夏道ではなく、尾根筋を狙う。その場所から狙いやすそうな疎林の尾根が見えていた。
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もう13:30。このラッセルでは二時間か、それ以上かかるかもしれない。残念だが敗退を決めた。今回も是が非でも登頂するという意気込みがなかった。出るのが遅かったし、赤布も持って来ていない。地図も登山地図とスマホだけ。GPS対応のスマホ地図は現在位置が容易に特定できるが、いちいち手袋を脱ぐ必要があるし、精密機械なので故障の可能性がつきまとう。やはり二万五千分の一以上の地図を防水袋に入れたものと、コンパスをすぐに出せる状態で持ち歩くべきだ。
雪はその後も降り続き、旅館に着く頃にようやく空がうっすら青くなった。明日は冬型が解消してよく晴れるという。再アタックは考えないでもなかったが、今回は温泉が主目的なのでまた今度という事にした。
いろいろ反省点はある。赤布、地図、出発時間。それに、雪山にはツェルトがあると安心だ。今後は基本に立ち返り、それらを基本装備として山に入るようにしよう。
中ノ湯温泉は食事もお湯も素晴らしかった。浴室は男女で入れ替り制で、手前の浴室の方がアタリだ。露天風呂の湯船が深く、景色もいい。湯温は内風呂の二槽を経由して流下してくるので露天風呂はややぬるいが、これも手前の浴室の方が少し熱い。
夜は食前と就寝前に入浴した。焼岳はもう眼中にないので翌朝は朝風呂だが、その前にやることがあった。坂錬である。
旧道のゲートから中ノ湯までは折り返しの急坂である。ここでは坂錬をやろうと家を出る時から決めていた。せっかくの温泉旅行なので朝寝をして6:30に宿の玄関を出る。雪道想定で靴は防水のモントレイル社製ハイキングシューズとした。釜トンネル往復のつもりだったがゲートは閉まっていた。そこまでの下りは2km。これなら3本だなと思いつつ折り返す。傾斜は10%位だと思う。どうしてもペース調整してしまい、それほど心拍を追い込めず旅館に着いてしまう。折り返して2本目。朝食が8:00なので7:30には上がりたい。ワンループ30分かかるようなので2本しかできそうにない。ならばと最後はペースを上げてみる。
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上げたつもりが下がっていた。ペースアップした際、ザコ側のケツがピキッと痛んだのが気がかりである。
その後は朝風呂して朝食。お櫃ごとおかわりするのは約束ごと。食後ももう一回入浴してチェックアウト。旅館では釜トンネルまで送迎してくれる。久しぶりの釜トンネルを潜ってド快晴の上高地へ。車にスマホを忘れてきたので写真は無し。
昨日敗退した焼岳も、穂高連峰もよく見える。白い稜線に雪煙が上がっている。風が強いのだろう。しかし快晴だ。今日登っていれば登頂出来ただろう。と思っても、あまり悔しさはなかった。
また来よう。