タルキートナでバドワイザーを

群発頭痛により断酒した山好きオジさんが、定年後にアラスカのデナリを登って、祝杯としてアルコールを解禁することを目指す日記。

山中湖から立川へのロックな継続

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台風で開催が懸念された、LoveSweetShower(ラブシャ)が無事、3日間とも開催された。われわれは三日目最終日に参戦してきた。

初日、二日目ともに大雨の中の開催で、参加者から大沼のようになった会場の様子が、Xのポストで上げられていて、われわれも覚悟して向かったが、多少の雨はあったものの止み間も多く、問題なく楽しめた。

 

会場に向かう道路は、紅富士の湯の先から渋滞し始め、一時は全く動かなくなった。これはGoogleマップさんの誘導が、東急の別荘地(私有地)を指していて、そこに東急の誘導員が現れて、通行止めにしていたことも影響していたと思う。あの誘導員の日当は、ラブシャの運営側が支払うのだろうか。

別荘地の裏道から、山中湖畔の国道に出ると、徒歩で会場に向かう人々が多数。多くは動かないバスを降りて、推しのステージに間に合うように足速やに道を行く人達。または、同乗者に車を託して、小走りに会場に向かう人達だった。ただ、ここから会場まで4kmくらいはあり、会場に近づくにつれて流れ始めたので、多くの人は走り損だったと思う。

われわれは会場向かいのKensParkingを予約してあったので、会場先を右折して、誘導されて車を停めた。山中湖畔に多数ある無料駐車場に車を置いて、そこから歩く人もいるようだったが、Kens~は会場から近い快適な駐車場で、屋根のある休憩所もある。2500円かかるが、1日だけならここを予約した方がいいと思う。

8時に家を出て、着いたのは13時頃だから、5時間かかったことになる。14時過ぎからスカパラのステージだ。間に合って良かった。

スカパラが登場する、レイクサイドステージに行くと、それほど人がいない。そのおかげで、けっこう前の方のポジションが確保できた。周りを見てみると、スカパラのファンというより、その次のマキシマムザホルモン待ちの人が多いような気がした。この日のラブシャのラインアップは、大トリがELLEGARDENで、それ以外にマキシマムザホルモン、ヤバいTシャツ屋さんなど、ハードコア系のバンドが多い。参加者のTシャツを見回してみると、ELLEGARDENのTシャツが6割、ホルモンが3割で、その他が1割、1割の中に、WANIMAがチラホラあるという感じだった。次がスカパラだというのに、見えるTシャツはホルモンばかりだ。

目の前に座っていた、妙齢のご婦人お二人組は、ちゃんとしたスカパラファンだと思っていたら、開演時間が近づき、来ていた雨合羽を脱いで立ち上がると、しっかりお二人ともホルモンTをお召しになっていた。それでも、メンバーが出てきて、演奏を始めると、しっかりスカパラの曲に合わせた手ぶり身振りで応援を始めた。

スカパラの選曲は、フェスなので代表曲とスタンダード曲が主体だった。「こんな天気なのに来てくれるなんて奇跡だよ!」と、谷中さんらしいキザな煽りで楽しい演奏が続く、今日の衣装はエンジ色のジャケット。実は演奏前のインタビューで、この服を着ていることの含みを語っていたのだが、それを見ていなかった我々に、「ここで、スペシャルゲスト!宮本浩次!」と嬉しい紹介が入った。

スカパラと同じエンジ色のジャケットを着た宮本先生登場で、観客は大喜び。雨脚が強まる中、「明日以外すべて燃やせ」を元気に演奏し、宮本先生はこれから自分のステージがあるというのに全力で歌ってくれる。

宮本先生が退場すると、もう「Paradise Has No Border」を演奏し始めた。「GAMOさんこっちこっち」をやるあのナンバーだ。という事はラストナンバーで、え?ちょっと短くないか?と思ったが、演奏後に谷中さんが「本当はこれで終わりなんだけど、もう一人スペシャルゲスト」と、アイナ・ジ・エンドを紹介した。BISHはもう解散しているので、アイナちゃんはソロで、午後イチくらいのステージを終えたばかりだった。曲は、チバユウスケが歌った「カナリヤの鳴く空」。あとで知ったが、リハなしのぶっつけ本番だったそうだ。

ならばあのダンスも即興だったの?というような、カッコいいダンスも決めて、見事に歌い切った。ジャケットは黒だったが、中におなじエンジ色のキャミソールを着て、髪の毛の色も、スカパラに合わせるといった、見事な集中ぶりだった。

 

奥さんは、サプライズで宮本先生が見られて大喜び、17時過ぎから、その宮本先生のステージがあるので、それまでしばし休憩。ひとまず先生が出る、Mtフジステージを確認してから車に戻ろうと、レイクサイドから一旦湖畔の道に出て、右手側に向かった。

湖畔にはWaterFrontの小さなステージがあった。宮本浩次の前の時間に、ここで森山直太朗がライブをやる事になっている。スカパラから退出する人たちの列から、一部の人が離れて、WaterFront前に陣取っていく。ずいぶん狭いエリアだが、こんなところであのメジャーな直太朗が演奏するのだろうか。

 

車に戻った頃は、けっこうな雨になっていた。車内でお茶を飲みながら、遠くから聞こえるホルモンの演奏に耳を傾けた。

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宮本浩次の神通力は大したもので、ステージ時間が近づくと雨が上がり、青空が見えてきた。開演30分ほど前にMtフジステージに到着。まだそれほど混んでいなく、前の方のポジションが確保できた。

先ほど通った、WatreFrontはステージのすぐ裏で、直太朗のライブは満席でもう入れませんと、係員の誘導があったが、ときおり美声が漏れ聞こえてきた。宮本浩次ステージと、もう少し間があれば、ぜひ聞きたいライブだった。その中、宮本浩次のライブに向けたステージでは、あまり人の動きが見られない。

フェスのリハーサルというと、打首さんやヤバTさんは、ほぼ本番のような演奏をしてくれて、ファンを楽しませてくれる。もちろん、本番に向けて、音響のチェックは必要だから、先ほどのスカパラも、メンバーは出てこなかったが、加藤君のあの塗装の禿げたギターを、若い人が弾いて音を合わせていたし、演奏直前には、楽屋にいるであろうホーンセクションの面々が、それぞれ音出しをしていた。なのに、宮本浩次ステージでは、もう開園時間まで間がないというのに、何もしていないように見えた。

推測ではあるが、後ろでやっている直太朗に配慮したのではないかと思う。おかげで、こちらも、わずかではあるが、直太朗の「なーつのおーわーりー・・・」を聞くことが出来た。夏も終わりなのかな。f:id:sandyou:20240903140431j:image

直太朗の声が聞こえなくなった頃、ようやくドラムスが現れて音響セット開始。ドラムスは、今回は玉田童夢ではなく、屋敷郷太。不勉強なので知らなかったが、大変高名なドラマーらしい。ベースは須藤君。ギターの名越さんも出てきて、キーボードは誰が座るのかな?と思っていると、司令塔のコバタケさんが登場した。そんならドラマーがトムじゃなくても大丈夫だねと、ちょっと安心した次第である。

 

やや時間が遅れて開演の合図があり、再びメンバー全員と、宮本先生がご登場。丹下さんがアコギを先生に渡したと思ったら、オープニングは「今宵の月のように」。

冬の花」「登る太陽」とソロの曲をやって、短いMCから「悲しみの果て」。これで、宮本浩次をあまり知らない観客まで大盛り上がり。続いて、もう岩崎宏美の曲とは思えなくなったロックナンバーの「ロマンス」をやったと思ったら、もう「ハレルヤ」だという。え?まだ6曲目だぜ?

基本的に、宮本浩次、およびエレカシのコンサートに、観客の合唱はない。ないはずだが、ここはフェスで、コアなファン以外も来ていることもあり、「ハレルヤ!」のところでは観客の声も聞こえていた気がする。「幸あれ―!」で締めくくった直後、先生から「じゃ、アンコール!」と言って、「俺たちの明日」を演奏し始めた。これで、さらに遠巻きでステージを見ていた人たちまで大熱狂。ここでも、「さあ頑張ろうぜ」を合唱する声がちょっと聞こえていた。

 

スカパラでウォームアップしていた先生の、見事な歌唱で、素晴らしいステージだった。惜しむらくはやや尺が短いことだ。ラブシャというところは、そうなのかもしれない。

せっかくなので、フェス飯を食べにフードエリアに行き、ベトナムフォーとココナッツカレーを食べた。フードエリアの先のフォレストステージで、ヤバTさんのリハが始まっていた。ほぼ本番と同じ演奏をしている。コヤマ氏が「え?もう止め?」と言って演奏を打切り「すぐ戻るから」と奥に下がっていった。リハ時間が終わりのようだ。

すぐに本番が始まるようなので、少し離れたところで様子を見ていた。ステージ前は大きな水たまりがあるようで、それを避けつつ、観客が集まってきた。

開演時間になると、コヤマ氏が「もっと前来いやー」と観客を煽り、派手な演奏を始めた。ステージ前では、モッシュ、ダイブ、サークル何でもありで、皆さん泥だらけで楽しんでいる。もう少し若ければ参加したいものだが、還暦のオヤジのやる事ではないので、遠くから何曲か聞いて、会場を離れた。

ラブシャはこのあと、大トリのELLEGARDENを迎える。7割の人がエレルTを着ているので、退場する人はわずかだ。スムーズに駐車場から車を出して、近くに取った宿に向かった。

泊ったのはここ↓

テニスフレンド - 宿泊予約は【じゃらんnet】 (jalan.net)

簡素なたたずまいも、装飾のない部屋も、きっぱりとしたおかみさんの対応も、合宿所ッぽくてよかった。部屋からは、富士山が良く見えた。f:id:sandyou:20240903140455j:imagef:id:sandyou:20240903140505j:image

ただ、朝食は無くても良かった。時間も7時半からでは何をするにも遅いし、内容がこれならコンビニで買った方がいい。もしかしたら、フェス客向けスペシャルメニューなのかもしれないが。

涼しいのでたっぷり眠れた。ここは標高約1000mだが、部屋にはエアコンがなかった。まあ、富士吉田の宿はどこもエアコンはあったが、必要性を感じたことはあまりなかったのだが。

水陸両用車「KABA」の上陸を見た

ざばーん

宿を出て、少し湖畔を散策してから、道志みち経由で帰路についた。山伏峠を越える頃は、周囲のススキと、わずかに色づいた山を見て、ああそろそろ雪山の準備も考えなくてはと思ったが、東京に近づくにつれ、気温は上昇し、ふたたび真夏に戻ってしまった。

直接家には帰らず、立川に寄った。これを見るためである。

ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE” LAST HEAVEN 031011 (09) (cinemacity.co.jp)

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去年、チバユウスケが死んで、もう生では再現できなくなったミッシェルのライブ。ラストライブはyoutubeで「世界の終わり」を見たが、全部収録した映画があったのか。わずか1週間の限定再公開だというので、見逃すわけにはいかない。

映画館、シネマツーの座席は、今まで座った中で最高に座り心地がいい椅子だった。下手な映画なら、間違いなく寝落ちしそうだが、さすがにそうはならなかった。

すごいライブだったんだな、と改めて思う。その存在を知らず、行けなかったライブ・コンサートで、行きたかったなあと思うものがいくつかある。映画ボヘミアンラプソディーで出てきたウエンブリーのライブエイドや、ロジャーウォーターズのベルリン「THE WALL」コンサート。それに、O2アリーナのゼッペリンのライブなどだ。もちろんウッドストックもそうだが、ウッドストックは行っていたら(6歳だが)すぐに飽きていただろうと思う。

この幕張メッセライブは、それらに匹敵するものがあった。終わったあと、観客がなかなか帰ろうとしないのも分かる。もちろん、そこにいても、再びミッシェル達が出て来てくれないことは、みんな分かっているのに、悔しくて動けないのだろう。

そんな素晴らしいライブを収録した映画だが、平日ともあって、映画館はガラ空きだった。まだ3日あるので、間に合うかたは、行かれてはいかがですか?

 

これが言いたくて、ちょっと今回は記事を急いで書きました。まあここを見ている人はあまりいませんが。