タルキートナでバドワイザーを

群発頭痛により断酒した山好きオジさんが、定年後にアラスカのデナリを登って、祝杯としてアルコールを解禁することを目指す日記。

楽しい連休になる筈だったが

連休二日目は大山に出かけた。谷川岳に行っていたとき、奥さんはお友達と高尾山だったのだが、あまり充実しなかったようで(食べ物は充実しまくりだったはず)、どこか行きましょうとオファーがあった。近場のコンピラかオクムあたりかと思っていたようだが、大山から、NHKの72時間スペシャルでやっていた厚木の古着屋を回るプランをご提案したら快諾された。おまけとして、相模原の物件の現調もさせていただくことになった。

大山では、山頂でカレーうどんを食べようと、灯油コンロのオプティマスをリュックに入れた。真鍮に輝くこのコンロを、山頂ベンチでポンピングして、周囲のハイカーの注目を集めようというプランだ。ただし、出発前に点火テストが出来なかったので、保険としてガスコンロも持った。コンロ2台と鍋、水1リットル入れたらリュックはいっぱいで、他に食べ物は入らなかったが、カレーうどんがあるからいいやと思っていた。

週明け水曜日に予定されているエレファントカシマシ新春武道館2022に向けて、行きの道中でエレカシを聴きまくっているうちに日向薬師側の駐車場に着いた。登りだして少しすると、奥さんがカレーうどん以外の食料を忘れたと言い出した。そういえば出るときにオニギリを作っていたな。

こちらとしてはカレーうどんがあるからいいのだが、このままゆっくり登ってもトレーニングにならないので、率先して取りに戻ることにし、先に行ってもらった。車でオニギリとパンも回収し、大汗かくのが確実なのでランシャツ1枚になり、走って後を追った。

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日向ゲートと呼んでいる。また黒部に行きたいな。

さすがに荷物が重くて走り切れなかった。途中からヒザを押しながらの早歩きとなり、いい加減息が上がったあたりで、お地蔵さんのところで待っていた奥さんに追いついた。

そこから見晴らし台までは普通に歩いたが、その先は降りてくる人やこれから登る人でにぎわっていた。ギャラリーが多いと燃えるのがウチの奥さんで、俄然ペースを上げ始めた。不動沢の分岐まではほとんどトレランレースのペースで登ったが、奥さんの勢いはそこで果てた。頂上までキレずに行きたかったそうだ。この先、大山の肩でなだらかになるので、そこで休めばいいのだが、残念ながら奥さんはコースを把握していなかった。トレラン、特にレースでは、下見が重要だという話である。

アドレナリンがたっぷり出て、奥さんはご満悦だった。山頂は混んでいて、ベンチなどはすべて埋まっていた。降雪の後なので、座れる地べたもなく、カレーうどんはお預けとなった。まあいい、良いウエイトになった。

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天気は最高

 

下山し、ナビを頼りに厚木の「西海岸」に向かう。テレビで紹介されたからか、古着屋の駐車場は満車で、放送の時はいなかった交通誘導員が案内していた。彼から、先にあるパチンコ屋さんの駐車場に停められると教えられ、そこに車を置かせていただく。八千代の担当物件でも、業者の車を向かいのパチンコ屋さんに停めていいという約束がある。こういう商売では、近隣へのサービスが必要なのだろう。

もう服は買わないと決めているワタシだが、そういえば昔から革ジャンが欲しかったなと思い出し、革ジャンコーナーに向かった。よさげなUSA製のライダージャケットがあったがデカすぎた。残念。奥さんはオシャレな革コートを購入。もう夕方だが相模原に向かった。

相模原は道路沿いの木の伐採の現調だった。もう日の暮れた道路にハザードを付けて路駐し、概要を把握できたので十分だ。倒し方、通行規制などをイメージしながら帰路に就く。

 

こうして、年明けの連休は3日目を残して楽しいもので終わりそうだった。16号線に出て、無料となった八王子バイパスに入る。今朝からどこの道路も渋滞はなかった。人出は増えてるというもの、まだ油断していない人たちは多いのだろうと思っていたら、八王子バイパスでストップ渋滞となった。

右車線にいたところ、50mほど先の大型車が、左ウインカーを出しているのが見えたので、事故だなというのはすぐに分かった。順繰りに左車線に移り、前進するにつれ、中央分離帯横に軽バンが停車しているのが見えた。その横を通り過ぎるとき、頭から血を流して倒れている男性と、彼のものと思われるバイクが見えた。

男性は意識が無いように見えた。「ああ、大変、大丈夫かしら」と奥さんが言うのを聞きながらそのまま通過したが、あれは救命処置をすべき状況ではないか、という考えが頭から離れなかった。通過せず、当然のように右車線に戻ってハザード。駆け寄って胸骨圧迫、ではなかったか?

 

奥さんと一緒だったので、とか、いや俺医者じゃないし、とか、いろいろ言い訳は頭を駆け巡ったが、しばらくは後悔の念がどこかに残るだろう。無事ならいいが、いや、無事なわけないが生きていてくれればいいが。

 

よし、もし今度同じ場面に出くわしたら必ず駆け寄ろう。名も知らないあのライダーの事故を無駄にしない為にも。