タルキートナでバドワイザーを

群発頭痛により断酒した山好きオジさんが、定年後にアラスカのデナリを登って、祝杯としてアルコールを解禁することを目指す日記。

高尾山サボラン

ツリークライミングという技術がある。まあ木登りなのだが、枝や幹を手足で登るというよりは、ロープをかけてユマーリングするイメージが強い。エイドクライミングの技術を応用できるので、抵抗なく取り入れられたが、はじめのうちは用具の高価さに驚いた。昔から使っている、ペツル社のユマール(まあこの言い方はオカシイのだが)は7,000円程で購入したはずだが、ツリークライミング用のアッセンダーは、同じペツル社のものが3倍程の値段で売られていた。最近は海外から自主輸入する人が増え、ネットで安いのが出回っているので、かなりこなれた値段になっているようだ。

用具が高価なのは、これが趣味や遊びではなく、仕事で、しかも命を託す物だからだと思うが、その前にアルパインライミングの用具はあまり高いと売れなかったのではないかと思う。長く山登りを続けてきて、いろんな登山者に会ってきた。アルパインクライマー、フリークライマー、ボルダラー、トレイルランナー、山岳スキーヤー。一番ビンボーなのはアルパインクライマーであろう。スキーヤーを除けば用具は高いほうだし、遠くまで行って何泊もするので遠征費もかかるのに、人種としてビンボー人が多いのだ。(なんせ当会のコールはそれそのものだ)

このところ、そのツリークライミング系の仕事が続いた。今日は超生意気な植木屋君が登って切っている。2、3年前からこの技術を取り入れた仕事を始めていた。生意気なのでもうマスターしているつもりでいる。

この技術を売りにしている人は、枝にはあまり乗らず、できるだけロープにぶら下がる。そのため、なんとか高い枝にロープをかけようとする。人がやっているのをたまたま見たことがあるが、ひたすら錘(スローウエイトという)を投げ続けて、一時間あまりやって成功しなかった。それも困るが、今日の彼はスローウエイトも持っていなかった。

先週も普通のやり方では剪定できない木があり、横浜から埼玉県北部まで、ツリークライマー二人に来てもらった。以前親戚の経営する造園会社をクビになって、暫くプラプラしていたヤス君のチーム。プラプラしている内にツリークライマーになっていた。奥鐘山の近藤·吉野を登っている私でも、どうやって登るのか思いあぐねていたコナラの木に、あっさりとスローウエイトを引っ掛けて、スルスルと登っていった。

スローウエイトとスローラインを持たない生意気君は、相変わらず強気な発言を続ける。自信たっぷりに「出来ない」と。先週のヤス君を思い出しながら、もうコイツには仕事は出さねえ、と思い始めていた。だってそのチェーンソー、全然切れないじゃん、ケム吹いてるよ。

ちなみに仕事場所は八王子。先週だっけか?現調に呼ばれた所。

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浅川沿いの見事な桜

一緒にいると、またワガママを言い出すので、10時には現場を離れた。高尾山に行くしかあるまい?

高尾山口までマップさんは約5キロとおっしゃる。着替え場所を吟味しながら歩いているうち、浅川沿いの公園に出たので、そこで着替えて走り出す。甲州街道に出て、浅川沿いに戻り、再び甲州街道高尾山口駅手前から浅川だと思って川沿いを行くと小仏川で、それを蛇滝口まで行く。そこから高尾山山頂駅に向けて登り、4号路を右折して山頂まで行く。下りは一部往復になるが、いつもの4号路〜金毘羅〜JR高尾駅。13.9km。

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山頂は大賑わい。百合子ちゃんごめんね。

見事なサボラン。今日は業績不振のための緊急会議テキナものが夕方から予定されている。バレたらクビだなと思いつつ、走っちゃえば楽しかった。

奥さんはMRI検査で脊椎間狭窄症の確定診断を受けてしまった。今後は奥さんに配慮して週末はレストが増えるだろう。体力維持の為には、サボランを含むコソ練が不可欠だ。

ああ、なんて不良な社員だ。こいつが課長なんかやってるから業績が不振なのだ。