タルキートナでバドワイザーを

群発頭痛により断酒した山好きオジさんが、定年後にアラスカのデナリを登って、祝杯としてアルコールを解禁することを目指す日記。

アヤメ平ならなんとか滑れる

春分の日の土日は、密かに企んでいた事があったが、天候悪化と家庭の事情も加わって、土曜日のみ行けるかどうかという状況になった。最終候補として、爺ヶ岳の東尾根を登って、扇沢を滑るというプランが持ち上がり、金曜は家に帰るなり、短い板にワックスをかけ、アイゼンを山靴コフラックに合わせ、必要な物をアタックザックに詰め込んで、奥さんの帰宅を待った。

奥さんは、脚の付け根の痛みが強く、ランニングも登山も思うように出来ない状態が続いている。最後の頼みに、東十条の痛い鍼に通うようになり、この日が4回目の施術だった。私が行った内田治療院ではなく、そこを独立した先生の方に行っている。

駅まで迎えに行くと、治療そのものがかなり痛いらしく、ロボットのような動きで車に乗り込んできた。土曜はレストすると言う。一人で行ってらっしゃいと。遅い時間からの治療だったので、もう深夜だ。明朝は起きれまい。

爺ヶ岳に行くには4時には家を出たい。まかり間違って、3時半にでも目が覚めたら決行と思っていたが、起きたのは5時だった。

さてどこへ行く? 西黒尾根? コフラックにショートスキーでは進歩がない、かと言ってK2ブーツで登れるか不明だ。アイゼンはコフラックに合わせてある。去年K2で巻機山には登ったよな、アイゼンなしで。でもあの山頂斜面を滑れるだろうか。先週緩斜面で全くターン出来なかった。

ふと、先週行く予定で、天候の為中止になった(それで入笠山に行った)尾瀬のアヤメ平はどうだろう、と思いついた。途中まで林道で、山パートも傾斜は緩そうだ。ここを滑って自信を取り戻そう。

というわけで沼田インターから120号を尾瀬に向かった。関越道は所々で渋滞した。今週末まで緊急事態だが、世間ではもう解除されているのだろう。殆どの車列が尾瀬岩鞍を左折し、120号を直進する車は少なかった。その先国道が通行止めになる手前を左折して、鳩待通りのバリケードを左に見送ると、尾瀬戸倉スキー場だ。

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先制パンチのような看板

暫く登りだから、上下ともカッパは着て行きたくないが、5000円払う事になってしまうので、完全に身支度して車を離れた。スキー場は雪が少なく、上級者コースの急斜面はもうクローズのようだった。登る林道はなんとか雪がつながっていた。頑張ってスキー場が空いている時間に降りてきて、一本でいいからリフトに乗ろう。

林道をシールで進むと、すぐに周囲は雪山の景観となった。これなら林道歩きも悪くない。富士見下のトイレの所からつづら折りの登りになり、さらに山っぽくなってきた。

田代原という湿原を横切るとき、あそこがアヤメ平かなと言う稜線が見えた。

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光が当たっている。期待したのだが…

林道は、左斜面をトラバースして行くようになり、適当な所で稜線に向けて斜面を登り始める。なんとかシールで直登出来る程度の傾斜が続き、アヤメ平手前では傾斜が増して電光型に登って行く。稜線が近いので風が出てきてガスも濃くなってきた。正面に小山のように見えたのは、名物の大雪庇だった。

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そして何も見えなかった…

この状況だから身支度は早かった。カッパを着込み、シールを剥がし、踵を固定して雪庇横の急斜面に向かう。滑れるかな?、なんて考える間はなかった。

雪は硬ザラメとでも言うのだろうか。よく締まったザラメ雪。ややボーゲン気味にはなるが、なんとか曲がれる。入笠山では緩斜面の樹林で、ターンの向きが制御出来ないので、木に衝突しそうで怖かったが、ここでは斜面は急なのにそんなことはない。

楽しい🎶

尾根の左側斜面を、適当に降りていけば林道に出るはず。なるべく長く山を滑ろうと、右へ右へと斜滑降気味に進む。良い斜面があれば楽しくダウンヒルを交える。そのうち下に林道が見えてきた。往生際悪く斜滑降を続けたが、結局登りで林道を離れた辺りで着地した。

その後は、林道を辿ってスキー場に戻った。途中でつづら折りをショートカット出来る所は、林道を離れて急斜面を滑り降りた。曲がれるではないか。

やはり雪質なのだろうか、上達したとは思えないし。ただ、スキーを回すのに、ゲレンデよりかは膝にかかる負担が大きいなと感じた。間違えると捻挫や骨折と言ったトラブルが起きそうな感じだ。この辺を、スムーズな体重移動で行えるようにしていくのが今後の課題のようだ。

スキー場に着き、スキー客となるべくリフト券売り場に行った。一日券3800円、半日券3300円とあり、シニア一日券3300円とも書かれているので、シニア半日券はないのかな?、と思ってよく見ると、薄い赤い字でさらに高い休日料金が書かれていた。そうか半日券は4000円なのか。う〜ん。