タルキートナでバドワイザーを

群発頭痛により断酒した山好きオジさんが、定年後にアラスカのデナリを登って、祝杯としてアルコールを解禁することを目指す日記。

焼岳に登る

2年前に敗退した焼岳に登頂した。前回は雪の中ラッセルして時間切れ。今回は快晴の中、高速道路のようなトレースを踏んでの登頂。リベンジなどとは恥ずかしくて言えない。

ともあれ登頂は嬉しかった。頂稜に飛び出し、眼前に槍ヶ岳が見えたときは思わずうるっと来た。

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手前のショボい棒が南峰山頂標識

 

 

この週末は推し活がない。それで、どこか一緒に行きましょうと、奥さんと話していた。色々計画を立ててプレゼンしようと思っていて、プランの一つに中の湯に泊まって焼岳というのがあり、その下調べで中の湯温泉旅館の空室を見たら空いていた。それを奥さんに伝えたら、そのままプレゼン無しで決定してしまった。まあ焼岳は課題として残っているので良しとしよう。

土曜日の朝、出発は6時半となった。天気は快晴。ヤマテンも、てんきとくらすも焼岳は晴れると言っている。多少遅くても大丈夫だろう。

10時40分頃中の湯に到着。下のゲートに着いた時、ちょうど宿のマイクロバスが降りてきて開けてくれた。カギはついていないようだった。雪道のヘアピンカーブを登って、番頭さんの誘導で駐車。焼岳に今から行くと言うと、流石にちょっと嫌な顔をした。

11時過ぎに歩き出した。番頭さんによると5〜60人は登っているとのことで、高速道路のようなトレースがついている。なので、迷うことなく歩を進めるのみ。1時間半ほどで霞沢岳方面が開けた場所に出て、この辺りからがリンドウ平か。急登はなくなり、軽いアップダウンを繰り返しながら進むと、正面にデカい山が見えてくる。

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霞沢岳が見えた

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実は山頂は見えていない


焼岳は、北峰、南峰の双耳峰で、リンドウ平からもそう見える。しかし後で分かった事だが、ここから山頂は見えていない。南北間のルンゼは絶好の大斜面となっていて何人かのスキーヤー、ボーダーが絶賛滑降中だった。実に気持ちの良さそうな斜面だが、この規模だと滑降時間は数分だろう。

トレースを追って南峰への登りに入る。下から見ると結構な傾斜のようだったが、取り付いてみると大したことはなかった。ピッケルを取り出すこともなく、ダブルストック、アイゼン無しで登っていける。風が出てきたので、カッパの上だけ着た。

途中傾斜が少し変わる辺りで、念の為アイゼンをつける。展望がどんどん広がり、乗鞍岳が見えてきた。さらに、焼岳は独立峰だが、南側、安房峠へと伸びる稜線の、奇妙な形が見えた。最後は雪庇の出ている急な尾根から雪の頂稜に飛び出した。正面に槍、穂高連峰笠ヶ岳や抜戸岳東尾根もよく見える。

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乗鞍岳

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霞沢岳


時刻は14時半。宿には17時には着きたいのですぐに下降に入る。3時間かけて登った道を、1時間半で下り、16時に宿にチェックイン。中の湯温泉旅館のお湯は、相変わらず良かった。