タルキートナでバドワイザーを

群発頭痛により断酒した山好きオジさんが、定年後にアラスカのデナリを登って、祝杯としてアルコールを解禁することを目指す日記。

雪崩の本を読む

通勤ランをしようと早起きしたが雨だった。そこで奥さんが図書館から借りていた本を手に取った。

雪崩事故事例集190 | 出川 あずさ |本 | 通販 | Amazon

 

いろいろな雪崩事故の詳細が、図解や写真を使って紹介されている。

行ったことのない、北海道や東北の山の記事はピンとこないので飛ばし読みして、北アルプスや上信越の山の記事を中心に読んだ。

事故の多くは四月のGWあたりに起きている。雪崩そのものは冬中起きているのだろうが、その時期に人が多く入るということか。

白馬大雪渓での雪崩事故が数件報告されている。大学時代、新歓合宿でGWに何度も行った。雪崩も良く見かけた記憶がある。しかし、私が見た雪崩は流下速度がゆっくりで、直撃を受けても逃げられるような気がした。それでも記事によると、多くの方が命を落としている。

年末の剱岳、早月尾根での事故も紹介されている。そう、尾根上でも雪崩は起きる。

もう四半世紀以上前になるが、年末から正月にかけて剱岳八ツ峰を登ったとき、何べん雪崩に会ったことか。尾根上ではないが、まず内蔵助出合に向かう黒部川沿いの道で一発。八ツ峰に取り付いてⅢ稜のP2上のテン場の、脇の小山が軽く崩れた。そして池ノ谷乗越に辿り着く直前のトラバースで、雪面に刺したバイルのシャフトから亀裂が走った。大声を上げながら仰向けに数m流されて止まった。

八ツ峰完登を喜ぶ余裕もなく、池ノ谷乗越では吹雪で、雪洞に数日間閉じ込められたが、悪天をついて山頂を目指したときに2連発を食らった。吹雪の中、緩い雪壁をラッセルしていると、目の前の雪面が動き、周囲の雪が音もなく消え去った。3人パーティーは縦一列で行動していて、全員が安定面にアイゼンの爪を立てていたので、流されずに済んだ。その後も登高を続けたが念の為ロープを出した。コンテで進み、ちょっとした難所で最後尾が西側に数歩トラバースしたところ、足元の雪がいきなり消失した。

この2発でもう限界となり、雪洞に逃げ帰りさらに数日間籠もることになった。

 

本では、救助にあたるまでの経緯も紹介されている。脱臼した肩を自力で入れて、ビーコンで仲間を探し、助けに来た他パーティーと150cm掘って救出した記事では、何故か涙が出てきた。ビーコン、プルーブは重要だ。お守り、などと思ってはいけないのだ。自らの生存のためだけではない。有事の際にその場所に居合わせたとして、何も持ってません、などと言えるか?

 

決めました。まずビーコンの電池を新品にします。次回からは必ずプルーブも持ちます。

 

今シーズンは5回山スキーに行っているが、ビーコンを持ったのは上州武尊だけ。それもスイッチ入れなかった。先日の乗鞍では、前を行く女性のザックにプルーブが付いているのを見て感心したが、あれはお飾りではなく常識なのだ。

 

今日帰ったら直ぐにビーコン出します。